第122回 2014.5.23(金)
「もちとうきび」
「もちもちとした、もちとうきび(とうもろこし)。ほっぺたが落ちそうになるほど、たまらなくおいしいんです。幼いころ、母が大きな
鍋に、もちとうきびをたくさん入れ
グツグツ煮込みます。まだか、まだかとみんな、じれったい。「できたよ!」と母が嬉しそうに笑うと、
我先にと奪い合いながら、おなかいっぱいになると、それだけで
幸せな気分になったっけ。夏休みになると私と妹は椎葉の
祖母の所に2週間泊まりました。バスの中はまだクーラーなどなく、妹と2人汗だらだら。くねくね曲がりくねった
山道を行くと、バスを降り祖母の家までは後ちょっと。2人
フウフウいいながら、やっとたどり着きました。すると、
クンクンと鼻がきく私は「もちとうきびじゃ」とワクワクしました。「よう来たなぁ!」と大好きな
祖母の笑顔が印象的でした。祖母のもちとうきびは煮るのではなく火鉢で焼き、
パチパチっとはじけ本当においしかった記憶があります。今頃の時期、
太陽の光を浴びながら店頭に並ぶスイートコーン。主人も私も、もちとうきびがこんなに好きなのに、
子どもたちは、あまり欲しくはないようです。母は、今も一生懸命、もちとうきびを作っています。私は、毎年
実るころを見計らって、母にメールします。「もちとうきび送ってね。この味は、
たまらん」
★亡き祖母や母が作る”もちとうきび”は頭の中にずっと残っています。